都市の「間」WS 2012
テーマ:「間」の活用(Zwischennutzung)
期 間:2012年 9月1日~9月8日
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近年のドイツの地域再生の現場では、”Zwischennutzung”というキーワードが注目を浴びている。”Zwischen”=「間」、”Nutzung”=「活用」であり、「”間”の活用」と訳すことが出来る。都市の“間“の活用とは、空いた空間を一時的に活用し、まちづくり、アート、文化、教育、福祉などのアクティビティを挿入することである。 ”間”には「時間的な”間”」と「空間的な”間”」の二つの意味が込められている。「時間的な”間”」とは、永久に続くものではなく、時限的な活動であることを指し、「空間的な”間”」とは、都市に残された空間(空き家、空き地など)を指す。
「”間”の活用」による空間再生とは、空間に多額の投資をしてリノベーションを行うことで建築の価値を高め、再び不動産マーケットに回収されること目的としているのではなく、個人やグループで出来る範囲の投資で、各々のコミュニティやアクティビティのために、空間を再生するというニュアンスをもっている。多くの「“間“の活用」においては、空間の利用者自らが主体的に集まってグループを作り、自らの手で空間を作り、その空間をベースに活動している。
個々の規模は小さいが、これらの活動は都市の様々な”間”に多種多様な新しいコミュニティとアクティビティを発生させ、総体としての都市に新たな魅力を生み出している。現在ドイツにおいて都市の“間“を活用することは、縮小都市の地域再生のための重要な手法の一つとして認識されている。特に旧東ドイツ地域に属するライプツィヒでは、市内に多く残る空いた空間を舞台に多様な“間“のプロジェクトが進行中であり、行政側も積極的かつ具体的にプロジェクトを支援している。
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今回のワークショップでは、ライプツィヒの都市の”間”を活用したプロジェクトについて、その現場に直接触れるべく、地域再生・空き家再生の活動や研究している方々を招いたシンポジウムと、空間再生事例をめぐるツアーを行いました。
また、「日本の家」の面する通りにおける芸術祭(9月8日)において、通り沿いの空き空間をテンポラリーに活用する提案づくりと実際の空間づくりをしました。
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