展覧会 “向こう先”
オープニング: 2012年8月17日(19時から)
会期: 2012年8月17日から19日
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北川 幸司プロフィール
1977年 大阪生まれ
2001年 京都精華大学大学院美術学部デザイン学科ビジュアル・コミュニケーション・デザイン卒業
2007年 グラフィックデザイン事務所 DUCA GRAPHIC 代表
HP:http://koji-kitagawa.jp
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北川 幸司インタビュー (2012年7月4日)
聞き手:ミンクス典子
レジデンス滞在に応募した理由は?
海外で活動しようとずっと昔から思っていました。2011年にオーストリアや東欧に旅行に行ってとても良かったので、オーストリアかドイツでぜひ展覧会を実現させようと考えていました。そこで海外で作品を出展する方法を探していて、インターネットで検索して「寺田プロジェクト」を見つけたのがきっかけです。また学生の頃からドイツに興味があって、ゲルハルト・リヒターが一番好きなアーティストで彼の生まれた国の空気で作品を制作したかったのです。
ライプツィヒの印象は?
静かで自然が多くて、建物が面白いです。新しい建物と古い建物のデザインの格差が面白くて、日本にはない建物の造形と景色がとても良く住みやすいです。またこの時期は涼しくて気持ちが良いです。またドイツ人の印象は堅そうで、ライプツィヒは治安が良さそうで安全できれい、清潔感があります。来る前はヨーロッパはどこへいっても汚いと思っていたが、トイレなども清潔で驚きました。
今回の滞在で期待していることは?
海外で展覧会を開催できることが重要です。また海外で生活できる経験はそうそう出来ないので、次にまた渡欧する機会に繋がると思っています。今回のレジデンス滞在のプログラムは実際に現地に住む経験を持てることの意義が重要で、今後の活動を海外へと据えられます。日本国内にだけ居ると「海外」について想像がつきにくいと思います。
今回のレジデンス滞在をポートフォリオの実績として次への出発点にしたいと考えています。特にドイツとニューヨークへ繋げていきたいです。2012年の「寺田プロジェクト巡回展」でまずは海外への踏み出しが出来たので、次のステップへと進めたいです。次の展開へと進むプレッシャーを自分にかけたいと思います。
デザインの会社を立ち上げて軌道にのせるまで3年ほどかかったので、実際には5,6年アーティストとしてのキャリアが空いてしまいました。今年35歳で年齢的にもこれから5年スパンで先10年を勝負にしたいと考えています。タイミング的にも今回のレジデンス滞在プグラムに参加できてよかったです。今後の活動をどのように繋げていけるか滞在している間に見えたらと思っています。
シュピネライで抽象画が多く見受けられたので、日本に比べてドイツは抽象画のポジションが高いのではと期待しています。日本は具象画の方が割合が高いです。
それから日本に戻ってから自分と周囲の変化に期待をしています。デザイナーとしての仕事へのブランドつくりとしても「ドイツで活動している」というプラス点ができて、作家としてもプラスになります。
ご自身の作品について
なにも持たないのがコンセプトです。理想は完全に意図をなくしたもので、勝手にできてしまうものです。意図的なものをなくしたいです。作家が誘導しているような形があるものではなく、受け手によって判断してもらいたいと思っています。コンセプトをつくって制作を始めても描いていくうちに変わってしまうので、結局最後はコンセプトなしになります。自我を抜いた作品をつくりたいと考えていて、極端になるとそれが裏返って個性になるのではと。モノを使ってなのか表現方法はまだ探していくつもりです。とにかく他を真似したり影響されていない自分から出てくるモノで表現したいと思っています。