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今回はドイツでの二度目の個展を、”日本の家”にて開催させて頂きました。
初めに日本の家を初め、多くの来展者のみなさまに感謝致します。今回の作品群は2011年からのドイツ滞在からスタートしたもので、”写実表現について”というコンセプトのもと表現に至ったものです。人々は世界を捉えている時に、感情や偏見、知識や潜在意識などといったフィルターを通して、世界を見ています。世界をどう見ているかのというその表現にあたり、作品を一つの道具として存在させ、見る人にとって考えさせる装置とさせます。日本の大学での卒業制作では、写真を用いてこのコンセプトに向き合っていましたが、今回は同じように、人は見ている光景を頭でどのように作り上げるのか。ということを絵画を用いての表現を試みています。そして制作にあたり、自分でもさらにこのコンセプトについて考える事を目的としていました。
来展していただき、作品を目の前にして多くの方が、足を止め、何が描かれているのだろうかと首をかしげているところを、多く見かけました。その時点で、その人はすでに私が表現した世界を見ているのではなく、すでにその人の頭の中にあるフィルターを通して、作品を見ています。私が表現した世界は私だけのものでしかなく、同じものを見ても、その人にはその人の作品が一つの世界として目に映っているはずです。作品を前にして、いろいろ考えを巡らせて頂いているのを見るのは、とても嬉しく思いました。
展示を通じて、また様々な事を考えるきっかけになりました。また次回、個展を開く際には、多くの方に新しい作品をお見せできればと思っています。
ありがとうございました。
萩野真輝